[ウスリスク2024訪問団] 36. 高麗人文化センター

旅程3日目の5月16日、最初の訪問地はウスリスク市内の高麗人文化センターです。 宿ウスリスクホテルでは、ホテルの前の道ネクラコバ大通り（Улица Некрасова）に沿って北に1キロだけ行けば出てくる近いところです。 歩いても15分、車で行けば5分以内に着きます。

 

 

グーグル地図は「高麗人文化センター(Корейский культурный центр)」を検索することができず、「住所(Амурская улица, 63)」を入力して位置を見せてくれますが、ロシアの地図ドゥバ-ジーアイエス(2GIS)は高麗人文化センターをキーワードとして登録しておきました。

 

ネクラコバ(Некрасова)とアムールスカヤ(Амурская)が出会う地点にペキン(Пекин)公園があり、その横が高麗人文化センターという点はグーグル地図も示しています。 ところが、2GISは文化センターの庭園に設置された洪範圖、柳麟錫、安重根の記念碑まで表示します。驚きです。

 

 

いわば、2GISは韓国のネイバー/カカオ程度の地図ですが、異なる点があるとすれば、2GISがグーグルはもちろんネイバー/カカオより性能がはるかに良く、ロシアだけでなく大部分のCIS国家とイタリア、チェコ、チリ、サイプレスなどでも通じるという点です。 私がサイプレスに行くことはなさそうですが、中央アジアやヨーロッパなどでは役に立ちそうです。

 

 

しばらくiPhoneで2GISを使うことができませんでした。 2022年9月、ロシアのウクライナ侵攻を口実に米国と西欧諸国がロシアに制裁を加え、その一環としてロシア企業2GISをiPhoneのApp Storeから追い出したためです。

 

 

今は2GISのダウンロードと使用が可能なことを見れば、その制裁は解除されたものと見られます。そうですね、戦争と対決は毛細血管のように一般人の生活の隅々にまで影響を及ぼします。 この話を長くしようとしたわけじゃないんだけど、2GISの性能に感心しすぎて···^^

 

 

高麗人文化センターは2004年に高麗人の沿海州移住140周年を記念して建設が決定され、その後約5年の建築過程を経て2009年10月31日に開館しました。

 

 

敷地3千坪、建坪1千2百坪に2階建てで建築された高麗人文化センターには事務室と会議室、図書室と移住歴史館、ハングル教室とマルチメディア室などが設けられており、野外には多目的公演場も備えられており、ウスリスク高麗人行事の中心となっています。

 

 

高麗人文化センターは高麗人の自負心の根拠でもあります。 2016年7月、慶尚大学新聞とのインタビューで、当時ウスリスク高麗人民族文化自治会(Национально-культурной автономии корейцев города Уссурийска)の副会長であり、高麗人文化センター長として在任中だったキム·ヴァレリア先生は、「ロシアの158の少数民族のうち、高麗人のように自分たちのためのための建物を持つ少数民族がいない」とし、文化センターに対する自負心を表現しました。

 

 

またキム·ヴァレリア先生は「高麗人の子供たちがSNSやインターネットに写真を載せる時、文化センターを『私たちの2番目の家』と書く」とし「文化センターを訪問する時には自信を持って行動し、自分の家のように感じるので、ここが私たちにとって非常に重要だ」と強調しました。。

 

 

キム·ヴァレリア先生はまた、2018年に京仁日報と行った会見で「高麗人文化センターが建設される前は高麗人の歴史と文化について両親から聞いたことがすべてだったが、ここができた後は高麗人が自分のルーツについて正しく知ることができるようになった」と話しています。

 

 

高麗人文化センターは、韓国の同胞と沿海州の同胞をつなぐ架け橋の役割も果たしてきました。 キム·ヴァレリア先生は同じインタビューで「文化センターを訪れた韓国人は2016年に1万6千人、2017年に3万人でしたが、今年（2018年）は先月（7月）までに3万人が訪れた」とし「韓国人と韓国政府が高麗人文化センターに関心を持ってくれて感謝の気持ちを持っている」と伝えました。

 

 

彼はまた「韓国人と高麗人は国籍は違うが、同じ歴史を持っている」とし「高麗人文化センターが今後も韓国人と高麗人のつながりになることを期待している」と述べました。 (jc, 2024/5/16)