[ウスリスク2024訪問団] 27.高麗人移住士(4)集団農場と強制移住

1924年1月、レーニンが死亡すると、激しい権力闘争を経て、政府と軍部の権力を掌握したスターリンの時代が始まりました。 レーニンは少数民族に土地分配と自治権を約束しましたが、スターリンはこれをすべて廃棄し、集団農場と工業化を推進しました。

 

自治権と土地の約束を信じてロシア革命を支持した沿海州の高麗人はスターリンの裏切りに大きく落胆しましたが、他に方法がなく、むしろ先頭に立って集団農場の建設に協力しました。

 

 

1923年、沿海州に居住する高麗人は12万982人に達し、このうち9万人がウラジオストク、ポシイエット、スチャン、ニコルスク-ウスリに住んでおり、約3万人がスパスク、ハバロフスク、イマン、オルガなど沿海州のあちこちに散らばって住んでいました。 彼らは1924年、54の韓国人農村ソビエトを結成しました。

 

それから5年後の1929年、沿海州の高麗人は15万795人で、沿海州全体人口の24.3%を占め、1930年代半ばには20万人に達しました。 このうち80%以上が強制的に行われた「全面的集団化」を経験しました。 それでもスターリンは依然として高麗人を不信していました。

 

 

1937年、日本が中国を侵略すると、スターリンはソ連がまもなく日本と戦争をすることになり、戦場は日本に近い沿海州になると予測しました。 スターリンの予測通り、1938年にハサン号の戦闘が発生し、スターリンは日本軍を追い出すために総力を挙げて勝利しました。

 

スターリンはソ連が日本と戦争をすれば高麗人は日本の肩を持つと判断しました。 これは朝鮮を侵略した日本に抵抗した高麗人に対する深刻な誤解でしたが、スターリンは自分の判断通りに推し進め、1937年9月、日本のスパイという口実で高麗人指導者級の約2,000人を処刑した後、約18万人に達する韓国人を中央アジアに強制移住させました。

 

 

制限された手荷物だけを所持したまま、高麗人は家畜運送貨物車に乗せられ、中央アジアの砂漠地帯に獣のように運ばれました。 寒さと飢餓により、かなりの数の高齢者と乳児が死亡しました。 1937年10月25日、ソ連内務人民委員会のイェゾフ委員長は「3万6,442世帯17万1781人の高麗人がカザフスタンとウズベキスタンに移送された」と発表しました。

 

冬に中央アジアの砂漠地帯に到着した高麗人は、寒さに耐えるためにモグラのようにトンネルを掘って暮らし、水辺にいる人たちは葦で穴蔵を作って暮らしていました。 春になると、高麗人は水を求めて田んぼを作って持っていった稲の種をまいて稲作を始めました。 初年度から豊作で、3年ぶりに安定を取り戻したということです。

 

 

スターリンの弾圧は続きました。 1938年、スターリンは韓国語をソ連の少数民族言語から除外し、韓国語学科を廃止して韓国語を学ばないようにしました。 また、高麗人を敵性民族と烙印を押して軍服務から除外し、居住共和国を離れる旅行も禁止しました。

 

このような状況でも高麗人たちは自分たちが属した集団農場を模範農場にし、労働英雄の称号を最も多く受けた模範民族に挙げられました。

 

 

ウジュベキスタンの「キム·ビョンファ農場」と「ポリトゼル農場」がその代表的な例です。 キム·ビョンファ(Ким Пен Хва, 1905-1974)農場長は自身が属した農場を最優秀農場に導いて労働英雄の称号を2個も受け、彼の死後農場の名前が「キム·ビョンファ農場」に変わりました。 タシケントには「キム·ビョンファ通り」もできました。

 

 

黃萬金が農場長を務めたポリトゼル農場は、ソ連で唯一観光公社に登録されました。 ソ連の模範農場で、外国人の観覧が許可された農場という意味です。 ソ連には3万余りの集団農場がありましたが、観光公社に登録された農場はポリトゼル農場一つだけだということです。

 

 

1953年にスターリンが死去した後、フルシチョフは1955年に高麗人の公民権を回復させ、1993年4月にはロシア連邦最高会議が議長名義の決定文(No.4721-1)を発表し、1937年に高麗人の強制移住と政治的弾圧は不法だったと規定し、被害を受けた高麗人とその家族、子孫の全面的な名誉回復と補償計画を発表しました。 (jc, 2024/5/15)