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1926年3月26日の石井舞踊団の大邱（テグ）公演に対するリサーチは、崔承喜の朝鮮地方公演の中で最初だった。 この調査のために私は事前の準備もたくさんし、努力もたくさん傾けた。 原稿用紙で120枚を上回る文章を書くようになったのを見て私自身も驚いた。 一度の公演について、書けることがこんなに多いとは思わなかったからだ。

大邱の調査を一段落させてからも不十分さが感じられるのは仕方がない。 まだもっと明らかにしなければならないことが多いからだ。 自分の能力と勤勉性に欠けていた部分もあったが、最も切実なのは資料不足だった。 あんなに一生懸命探したのに、必要な資料が出てこなくて残念だった。 今回の大邱調査の場合、大邱近代歴史館と大邱市立中央図書館が所蔵する古新聞は見られなかった。

崔承喜リサーチをしながらどんなテーマであれ「六何」に対する答えを出すことができるようになれば、満足度に差があっても、それによってリサーチはいったん成功した調査だと考えるようになった。 そのような面で、今回の大邱公演のリサーチは、3分の2程度成功した調査だ。

まず「誰が」を明らかにすることに完全に成功しなかった。 当時、満州-朝鮮巡回公演に出た16人の石井舞踊団員が誰だったのか、完全に解明できなかった。 それさえも舞踊家4人の名前と経歴を明らかにしたことと、ピアノ伴奏者と舞踊団内部のマネージャーを明らかにしたことが成果なら成果だった。 バイオリンの伴奏者が誰だったかさえもっと知っていたら、満足度も相当高くなっていたはずだ。 残りの人物は照明、音響、舞台担当などを担当したスタッフ構成員だったはずだ。 彼らは文献によく現れない傾向がある.

「何を」も同じだった。 石井舞踊団が大邱で公演した作品を21個に絞ることはできたが、その中でどの作品が<大邱劇場>舞台で実際に上演されたのか特定化することはできなかった。 上演するかどうか確信できないまま、各作品の詳細を調査するのがむなしく感じられ、そこで今回は上演された事実が確かな『閉じ込められた人(1922)』の1作品だけをもう少し詳しく調査して整理した。

「いつ」と「どこで」は明らかにできた。 1926年3月26日午後6時<大邱劇場>でだった。 大邱劇場の位置を見せる当時の地図と今日の地図を確保したのは悪くなかった。 当時の大邱劇場の写真をもっとたくさん発見していたらもっと良かっただろう。

ほとんどの他の調査では'どのように「どうやって」と「なぜ」が最も重要な調査項目であるが、今回の大邱公演調査ではその点はほとんど明らかだった。 舞踊団員たちが「どのように」移動し、「どのように」時間を過ごし、「どのように」公演をしたかは大まかに明らかにすることができた。 彼らが大邱で公演をした理由は自明だ。 観客を得て新舞踊の「ファン」層を広げ、入場料収入を上げるためだった。

大邱公演の場合、石井舞踊団に入場料収入が特に重要だった。 1926年満州-朝鮮巡回公演の主な目的が「お金」だったからだ。 石井漠は1925年武蔵境に2階建ての洋館から舞踊研究所の建物を新築したが、その建築費を返さなければならなかった。 この問題は、さらに調査する必要があるため、大邱公演の調査結果には含めなかった。 おそらく大邱公演以前の京城公演の調査結果を整理する時に含めるとよいだろう。

石井舞踊団が1926年3月の朝鮮巡回公演であげた最大の成果は、崔承喜を発掘したことだ。 京城公演最終日の3月23日、石井漠を訪れた崔承喜はすぐ入団許可を受け、26日の大邱公演は、彼女が舞踊団の一員として参観した最初の公演だった。 この時、崔承喜の心境と感想を知ることができればいいが、そのような内容を示す資料はまだ発掘されていない。

大邱公演以降、崔承喜と石井舞踊団は3月28-29日の釜山公演に臨んだので、次のリサーチは釜山での調査になるべきである。

釜山公演が終わった翌日の3月30日、石井舞踊団は新入団員の崔承喜と一緒に玄海灘を渡って日本に帰った。 崔承喜の参観は終わり、舞踊留学が本格的に始まったのである。 (*)

1926년 3월26일의 이시이무용단 대구공연 리서치는 최승희의 국내 지방공연 중에서 첫 번째였다. 준비도 많이 하고 노력도 꽤 기울인 조사였다. 원고지로 120매를 웃도는 글을 쓰게 된 것을 보고 나 자신도 놀랐다. 한 번의 공연에 대해 쓸 것이 이렇게 많은지 몰랐기 때문이다.

대구조사를 일단락 짓고 나서도 미진함이 느껴지는 것을 어쩔 수 없다. 아직도 밝혀야 할 것이 많음을 알기 때문이다. 내 능력이나 부지런함이 모자라서 생긴 구멍도 있지만, 가장 절실했던 것은 자료부족이었다. 그렇게 찾아다녀도 필요한 자료가 나타나지 않아 무척 안타까웠다. 이번 대구조사의 경우 <대구근대역사관>과 <대구시립중앙도서관>의 고신문을 열람할 수 없었던 것이 가장 아쉬웠다.

최승희 리서치를 하면서 어떤 주제이든 ‘6하(六何)’에 대한 대답을 내놓을 수 있게 되면, 만족도에 차이가 있더라도, 그 리서치는 일단 성공적으로 마무리된 조사라고 생각하게 되었다. 그런 면에서 이번 대구공연 리서치는 3분의2쯤 성공한 조사이다.

우선 ‘누가’를 밝히는 데에 완전히 성공하지 못했다. 당시 만주공연을 마치고 조선순회공연에 나섰던 16명의 이시이무용단원이 누구였는지 완전히 밝혀내지 못했기 때문이다. 그나마 무용수 4명의 이름과 경력을 밝혀낸 것과 피아노 반주자와 무용단 내부 매니저를 알아낸 것이 성과라면 성과였다. 바이올린 반주자가 누구였는지만 더 알아냈으면 만족도는 꽤 많이 높아졌을 것이다. 나머지 인물들은 조명과 음향, 무대담당 등을 담당한 스탭 구성원들이었을 것이기 때문이다. 그들의 이름은 대개 문헌에 잘 나타나지 않는 경향이 있다.

‘무엇을’도 마찬가지였다. 이시이무용단이 대구에서 공연했던 작품을 21개로 좁혀놓을 수는 있었지만 그중에서 어떤 작품이 <대구극장> 무대에서 실제로 상연되었는지 특정화할 수는 없었다. 상연 여부를 확신하지 못한 채 각 작품에 대한 세부사항을 조사하는 것이 허망하게 느껴졌고, 그래서 이번에는 상연되었던 사실이 확실한 <갇힌 사람(1922)>의 한 작품만 조금 더 자세히 조사해서 정리했다.

‘언제’와 ‘어디서’는 밝힐 수 있었다. 1926년 3월26일 오후6시 <대구극장>에서였다. 대구극장의 위치를 보여주는 당시의 지도와 오늘날의 지도를 확보한 것은 나쁘지 않았다. 당시의 대구극장 사진을 더 많이 찾아낼 수 있었으면 더 좋았을 것이다.

대부분의 다른 조사에서는 ‘어떻게’와 ‘왜’가 가장 중요한 조사항목이지만 이번 대구공연 조사에서는 그 점은 거의 자명했다. 무용단원들이 ‘어떻게’ 이동했고, ‘어떻게’ 시간을 보냈고, ‘어떻게’ 공연을 했었는지는 대략 밝혀낼 수 있었다. 그들이 대구에서 공연을 한 이유는 자명하다. 관객을 얻어 신무용의 ‘팬’층을 넓히고, ‘입장료 수입’을 올리기 위해서였다.

대구공연의 경우 이시이무용단에게 입장료 수입이 특히 중요했다. 1926년 만주-조선순회공연의 주요 목적이 ‘돈’이었기 때문이다. 이시이 바쿠는 1925년 무사시사카이(武蔵境)에 2층 양옥으로 무용연구소 건물을 새로 건축했는데, 그 건축비를 갚아야했던 것이다. 이 문제는 더 조사할 필요가 있기 때문에 대구공연 조사결과에는 포함시키지 않았다. 아마도 대구공연 이전의 경성공연 조사결과를 정리할 때 포함시키면 더 좋을 것이다.

이시이무용단이 1926년 3월의 조선순회공연에서 올린 최대의 성과는 최승희를 발굴한 것이다. 경성공연 마지막 날인 3월23일 이시이 바쿠를 찾아간 최승희는 바로 입단 허락을 받았고, 26일의 대구공연은 최승희가 무용단의 일원으로 참관한 최초의 공연이었다. 이때 최승희의 심경과 감상을 알 수 있으면 좋겠지만, 그 같은 내용을 보여주는 자료는 아직 발굴되지 않았다.

대구공연 이후 최승희와 이시이무용단은 3월28-29일의 부산공연에 임했으니, 다음 리서치는 부산 조사가 되어야 할 것이다.

부산 공연이 끝난 다음날인 3월30일 이시이무용단은 신입단원 최승희와 함께 현해탄을 건너 일본으로 돌아갔다. 최승희의 참관은 끝나고, 무용유학이 본격적으로 시작되었던 것이다. (*)

1936年8月9日、孫基禎（ソン·ギジョン）と南昇龍(ナム·スンリョン）がベルリン五輪のマラソン競技で勝利した。 日本にとっては、金メダルと銅メダルを追加し、メダル集計で総合8位になった愉快な事件であり、日本に合併された朝鮮にとっては、民族の気概を誇示し、自主独立の希望を再確認させた快挙であった。

孫基禎優勝のニュースを崔承喜（チェ·スンヒ）はどうやって知った。 ある評伝によると、8月10日午前1時29分ごろ、崔承喜が夫の安漠(アン·マク)とともに、東京永楽町の自宅からラジオ中継を通じて、「孫基禎が1等、南昇龍が3等」というニュースを聞いたという。

別の評伝は、ラジオを聴きながら台所仕事をしていた崔承喜が孫基禎と南昇龍の勝利を伝えると、「やっていたことをやめ、鍋のふたを持って鉦をたたくように叩きながら踊った」と語った。 数日後、崔承喜は東京ラジオ放送に出演し、「日本が勝ってうれしい。 しかし朝鮮人が勝ってくれてもっと楽しい」と話したと伝えた。

安幕-崔承喜夫婦がその夜、リアルタイム中継放送を聞いたというのは本当だったのだろうか。 チェ·スンヒがラジオ番組に出演し、「朝鮮の人々が勝ってくれてさらに楽しい」という、当時としては危険かもしれない発言を公にしたのは事実だろうか。

これらの疑問を解き明かす文献が発見された。 日本の女性雑誌「婦人倶楽部」1936年10月号だった。 この雑誌には漫画家の和田邦坊（1899-1992）が崔承喜にインタビューして作成した記事が載った。 日本の中学·高校の歴史教科書に載るほど有名な『成金風刺漫画』の作家和田国保は、長くて強い崔承喜の足を指さして「この脚なら走っても早いだろうな」と聞き、崔承喜は「早いわよ、孫選手だってどうです」と自慢したという。

続いて和田邦坊は「孫基禎選手は彼女の仲良しであった」と明らかにし、孫選手の快挙のおかげで「彼女の鼻息は荒い」と話した。そして、彼女の言葉をこのように伝えた。 「内地の方が勝つより妾何倍か嬉しいですわ。朝鮮生まれの人が全日本の爲めに働いたなんて、こんな愉快なことはありません」 これに対して和田邦坊は「郷土愛だな」と答えた。

崔承喜の「婦人倶楽部」発言は評伝が引用した「東京ラジオ」発言とは語感がかなり違う。 「朝鮮人」ではなく「朝鮮で生まれた人」という表現を使い、「日本」や「日本帝国」ではなく「全日本のため」という言葉も入っていた。

つまり、崔承喜は言いたいことは全部言いながらも問題を避ける準備もしていたのだ。 似たような発言がラジオ放送や雑誌のインタビューに繰り返し使われていたのは、質問を事前に予想して回答を準備していたに違いない。 何度も予行練習をしたかもしれない。

また、「後進クラブ」の記事には、「崔承喜が午前1時半にラジオ放送を聞いた」という主張に疑問を投げかける内容も載っている。 次は崔承喜と和田邦坊の対話だ。

「妾、あの朝、孫さんが勝ったラジオ聞いていて、思わずコドモを握りつぶしたのよ」/ 「え! 子供って?」/ 「鶏のコドモ」/ 「鶏の?」/ 「ええ、卵を握り潰したの」/ 「やれ、安心した。子供を握り潰したというから、また彼女の一粒種を本当にやったのかと思った。なるほど、卵なら鶏のコドモに違いない」。

和田邦坊は滑稽を試みたが、それとは別に、この記事は崔承喜が孫基禎選手の勝利を聞いたのが「その日の朝」だったことを示している。 おそらく朝食の支度をしながらニュースを聞いていたのだろう。当時は中継技術も不足していた上、夜12時以後は放送がなかったため、地球の反対側のマラソン試合の中継をリアルタイムで聞くことができなかった。

和田邦坊が「孫基禎は崔承喜の仲良し」と宣言したのも意外だった。 2人が「実力があり人気のある朝鮮人」という共通点だけで、「仲良し」とは言えなかったはずだ。 2人は東京時代、実際に交流をしていたに違いない。 これを証明するかのように、写真集『世紀の美人舞踊家崔承喜』には孫基禎と崔承喜が並んで撮った写真が載っている。 (*)

1936년 8월9일 손기정과 남승룡이 베를린 올림픽의 마라톤 경기에서 승리했다. 일본에게는 금메달과 동메달을 추가해 메달집계에서 종합 8위에 오르게 한 유쾌한 사건이었고, 일본에 합병되었던 조선에게는 민족의 기개를 과시하고 자주 독립의 희망을 다시 일깨워준 쾌거였다.

손기정의 우승 소식을 최승희는 어떻게 맞았을까? 한 평전은 8월10일 새벽 1시29분경 최승희가 남편 안막과 함께 도쿄 에이후쿠초(永樂町) 자택에서 라디오 중계를 통해 “손기정이 1등, 남승룡이 3등”이라는 소식을 들었다고 했다.

다른 평전은 라디오를 들으며 부엌일을 하던 최승희가 손기정과 남승룡의 승리 소식이 전해지자 “하던 일을 멈추고 냄비 뚜껑을 들고 꽹과리를 치듯 두드리며 춤을 추었다”고 했다. 며칠 후 최승희는 도쿄 라디오 방송에 출연해 “일본이 이겨서 기쁘다. 그러나 조선 사람이 이겨주어서 더욱 즐겁다”고 말했다고 전했다.

안막-최승희 부부가 그날 밤에 실시간 중계방송을 들었다는 것은 사실이었을까? 최승희가 라디오 방송에 출연해 “조선 사람이 이겨주어서 더욱 즐겁다”라는, 당시로서는 위험할 수도 있었을 발언을 공개적으로 했던 것은 사실이었을까?

이 의문들을 풀어주는 문헌이 발견되었다. 일본 여성잡지 <후진구라부(婦人俱樂部)> 1936년 10월호였다. 이 잡지에는 만화가 와다 쿠니보(和田邦坊, 1899-1992)가 최승희를 인터뷰해 작성한 기사가 실렸다. 일본 중고등학교 역사 교과서에 실릴 만큼 잘 알려진 ‘졸부 풍자만화’의 작가 와다 쿠니보는 길고 강한 최승희의 다리를 가리키며 “이런 다리라면 달리기도 빠르겠네요.”하고 물었고 최승희는 “빠르지요, 손기정 선수하고 라면 어떨까요?”하며 뽐냈다고 했다.

이어서 와다 쿠니보는 “손기정 선수는 최승희의 절친”임을 밝히고 “손 선수의 쾌거 덕분에 그녀의 기세가 등등하다”면서 최승희의 말을 이렇게 전했다. “내지(=일본) 사람이 승리한 것보다 저는 몇 배나 기뻐요. 조선에서 태어난 사람이 전일본을 위해서 그런 일을 하다니, 이렇게 유쾌한 일은 없습니다.”

최승희의 <부인구락부> 발언은 평전이 인용한 <도쿄라디오> 발언과는 어감이 많이 다르다. “조선인”이 아니라 “조선에서 태어난 사람”이라는 표현을 썼고, “일본”이나 “일본제국”이 아니라 “전(全)일본을 위해서”라는 말도 들어가 있었다.

즉, 최승희는 하고 싶은 말은 다 하면서도 논란을 피할 준비도 갖추고 있었던 것이다. 비슷한 내용의 발언이 라디오 방송과 잡지 인터뷰에 반복적으로 사용된 것을 보면 사전에 이 질문을 예상하고 답변을 준비해 두었던 것임에 틀림없다. 몇 번이고 예행연습을 했을 지도 모른다.

또 <후진구라부> 기사에는 최승희가 새벽 1시 반에 라디오 방송을 들었다는 주장에 의문을 가질만한 내용도 나와 있다. 다음은 최승희와 와다 쿠니보의 대화이다.

“나는 그날 아침, 손 선수가 이겼다는 라디오 방송을 듣다 말고 나도 모르게 아기를 붙잡아 으스러뜨려 버렸지요.”/ "악! 아기를요?"/ "닭의 아기."/ "닭이요?"/ "그래요, 계란을 으스러뜨렸어요."/ 아, 안심했다. 아기를 으스러뜨렸다니, 나는 또 그녀의 외동딸을 으스러뜨린 줄 알았다. 과연, 계란이 닭의 아기인 것임에 틀림없다.”

와다 쿠니보는 해학을 시도한 것이지만, 그와는 별도로 이 기사는 최승희가 손기정 선수의 승리 소식을 들은 것이 “그날 아침”이었음을 보여준다. 아마도 아침식사를 준비하면서 뉴스를 듣고 있었던 것이리라. 당시에는 중계기술도 부족한데다, 밤12시 이후에는 방송이 없었기 때문에 지구 반대편의 마라톤 중계를 실시간으로 들을 수 없었다.

와다 쿠니보가 “손기정은 최승희의 절친”이라고 선언했던 것도 의외였다. 두 사람이 ‘실력 있고 인기 있는 조선인’이라는 공통점만으로 ‘절친’이라고 선언하지는 않았을 것이다. 두 사람은 도쿄 시절 실제로 교류를 가졌을 것임에 틀림없다. 이를 증명이라도 하듯이 사진집 <세기의미인무용가 최승희>에는 손기정과 최승희가 나란히 찍은 사진이 실려 있다. (*)

今、東京五輪が進行中で、選手たちのヒューマンドラマが続出している。 コロナ19の影は仕方ないが、2年前から悪化した韓日政府の対立が五輪韓日首脳会談の不発にまでつながり、両国市民の五輪観覧はそれほど楽しいものではなさそうだ。

しかし、市民の心がいつもこのように不便だったわけではない。 いくら政府が対立しても、市民はお互いの立場を理解し、お祝いすることを祝い、同情することに同情した。 甚だしくは韓国が日本の植民地だった時期にもそのようなことがあった。

1935年6月、舞踊家の崔承喜（チェ·スンヒ）は朝鮮舞踊公演のため名古屋を訪問した。 当時も日本列島は五輪熱気で熱く、名古屋も例外ではなかった。 1936年ベルリン夏季オリンピックまではまだ1年以上の時間があったが、日本の祭りはすでに始まっている。 ちょうど1940年のオリンピックを東京に誘致したため、日本市民は誇りを膨らませた。

コロナ19と経済制裁問題で韓日間の旅行が制限される直前、私は名古屋の愛知県立図書館で<中日新聞>の前身である<名古屋新聞>の記事を一つ見つけた。 1935年6月10日付の新聞7面に掲載されたインタビュー記事だった。 マイクロフィルム読取機画面の記事は、活字がつぶれて写真もぼやけていたが、当時24歳の崔承喜のはつらつとした姿を確認することができた。

当時、崔承喜は日本で人気を博していた。 彼女の踊りが日本の伝統舞踊や近代舞踊ではなく、朝鮮舞踊だったにもかかわらず、市民たちは歓迎してくれた。 朝鮮時代の舞踊「エヘヤ·ノアラ(1933)」を皮切りに「剣舞(1934)」と「僧舞(1934)」が崔承喜のトレードマークとなっていた。

同記事を作成した匿名の記者は、朝鮮の植民地状況と崔承喜の踊りの意味をよく理解していた。 彼は崔承喜の舞踊をこのように要約した。 「彼女がユーモラスな交泰で踊る時、朝鮮が笑い、彼女が寂しく踊る時、朝鮮が泣く。」

崔承喜を「民族の長い伝統美を世界に誇る新時代の娘」と紹介したのは意外だった。 「新時代の娘」という表現は理解できたが、崔承喜の人気は朝鮮と日本に滞在していた頃である。 それでも記事は民族の伝統美を「世界に誇る」と書いた。

この「予告」は現実となった。 崔承喜は1年半後の1937年12月29日、横浜から秩父丸に乗って米国へ向かった。 それから3年間、崔承喜はヨーロッパと南北米の3大陸で「民族の長い伝統美を世界に誇った」とし、この記事の予言は的中したわけだ。

記者はまた、この新進の朝鮮舞踊家にインタビューし、五輪の話を添えた。 彼は「私も走りたい」という崔承喜の言葉を引用し、当時の女性としては長身だった5尺4寸（=164センチ）の高さを指摘し、「走っていたらオリンピック選手になったはず」という崔承喜のうきうきした発言も引き出した。 続いて記者が付け加えた。 「あなたはすでにオリンピックの舞踊家です」

タイトルを「民族の表情」としたこの短い記事は、当時の朝鮮の植民地状況と日本のオリンピックの雰囲気を背景に、崔承喜の朝鮮舞踊の性格と芸術性もうまく表現している。

この記事を読んだ読者はどう感じたのだろうか。 日本人市民たちは、植民地の状況でも朝鮮舞踊の公演を休まない崔承喜を応援しただろう。 日本に居住していた朝鮮人たちも民族文化を守ってくれる彼女が誇らしかったはずだ。

記事に添えられた写真の中の崔承喜の姿は自然で躍動的だ。 マイクロフィルムで見た写真は背景もぼやけていて衣装も見当がつきにくかったが、表情だけは明るくて力強い「朝鮮娘」だった。 もしこの写真が新聞社のアーカイブに保管されているなら、その原本を必ず見たい。

この記事は読者から肯定的な反応を受けたに違いない。 そしてその読者の中には85年後の五輪に際してこの記事を読み返した私も含まれる。 その長い時間の流れに打ち勝ったこのような記事こそ、真のジャーナリズムだと私は思う。 (*)

前述のように石井舞踊団員たちの中で舞踊家はほとんど家族だった。 ところが、石井一家ではないダンサーがいた。 松浦旅人（1901-1927）だった。 『日本歌劇俳優年鑑（1921）』に彼の年齢が20歳と記録されていることから、彼は1901年生まれで1905年生まれの小浪より4年、1911年生まれの栄子と崔承喜よりは10年年上だった。

松浦旅人は大阪の岩間櫻子舞踊団で舞踊を始めたが、「つややかな目」を持つ美男で関西地域で人気が高かった。彼は舞踊と文学においても卓越していて、彼が作った短歌は好評を得たという。 そのような高い人気に支えられ、彼の演技の姿を描いた絵葉書が発行されたりもした。

松浦帯人は1920年夏、東京に移り『東京オペラ座』に加入し、座長の石井漠と縁を結んだ。 『東京オペラ座』は1920年の夏から北海道、東北、北陸巡回公演を行い、1921年の春には関西、山陽、九州で公演し、松浦旅人はこれに情熱的に参加し、石井漠が彼の力量を注目するきっかけとなった。

しかし、興行よりも芸術性を選択した石井漠は1921年5月に『東京オペラ座』を解散し、1922年12月から1924年4月までヨーロッパとアメリカの巡回公演を断行した。 松浦旅人は『東京オペラ座』解散後、関西に戻り、いくつかの活動館で演じてきたが、1921年11月ごろからは、東京の早稲田劇場で余興を演じてきた。

欧米巡回公演から帰ってきた石井漠が松浦旅人とどのように再会したのかを見せてくれる記録は見つからなかったが、松浦旅人は1926年2月に始まった石井舞踊団の満州と朝鮮巡回公演に参加した。 京城公演の初日、石井漠と一緒に「舞踊時<明闇>」をデュエットで発表し、3日目は児童舞踊<今晩>を独舞で公演した。

しかし松浦旅人は薄命だった。 1928年2月に発行された『石井漠パンフレット第2集』には、彼が「大阪松竹座で公演中、肺髄膜炎で倒れて亡くなった」という訃報が掲載された。 彼は30歳にもならない年に舞踊家としての夢を思う存分楽しむ前に病死したのだ。

大邱公演の石井舞踊団のダンサーは計4人で、内部マネージャーの石井八重子とピアニストの保科輝雄を合わせると計6人だった。 ところが、『舞踊家石井漠の生涯』(2006)の記録によると、当時朝鮮巡回公演に参加した舞踊団員は計16人だという。

「1926年春から地方公演に力を注ぎました。 石井漠舞踊団一行は16人で、まず中国に渡り、満州日日新聞の後援で大連公会堂において初の公演を行った後、旅順、奉天、長春、吉林を2か月間巡業しました。 当時満州には日本人が多数移住していてどの公演も大盛況でした。 その後、朝鮮に戻りました。」

当時、マスコミの報道に名前が言及された舞踊団員は6人に過ぎず、新入団員の崔承喜を合わせても7人だった。 他の9人の団員たちは誰だったのだろうか。 まずバイアリン走者がいた。 崔承喜は、「京城公会堂の楽屋を訪れた時、バイオリン伴奏の音を聞いた」と回想したためだ。

それに加えて音響と照明スタッフがいた。 劇場によって変わる音響を調整する専門家は1人で十分だったはずだが、照明には少なくとも4人必要だったのだろう。 当時、石井舞踊団の公演には左右と中央の照明があり、そこにスポットライトがもう一つあった。 したがって、少なくとも4名の照明技師がいて、そのうちの1名が照明責任者であったはずである。

そのほか、舞踊団内部を管掌していた石井八重子とは別に、巡回公演の対外業務を管掌していたマネージャーがいた。 彼は崔承喜の入団のため、崔承喜の父親を説得し、渡航証を速やかに発給してもらうため、松岡京城日報社長を訪問したりもした。

以上の計算により、16人中13人の団員の役割は把握できた。 しかし、残り3人がどのような役割を担ったのかは、まだ確認されていない。 (*)

앞서 보았듯이 이시이무용단원들 중 무용수는 거의 가족이었다. 그런데 이시이 가족이 아닌 무용수가 있었다. 마츠우라 다비토(松浦旅人, 1901-1927)였다. <일본가극배우연감(1921)>에 그의 나이가 20세로 기록된 것으로 보아 그는 1901년생으로 1905년생인 코나미보다 4년, 1911년생인 에이코와 최승희보다는 10년 연상이었다.

마츠우라 다비토는 오사카의 이와마 사쿠라코(岩間櫻子) 무용단에서 무용을 시작했는데, “윤기 있는 눈”을 가진 미남으로 간사이 지역에서 인기가 높았던 그는 무용뿐 아니라 연극과 문학에도 탁월해서 그가 지은 단가는 큰 호평을 받았다고 한다. 그 같은 높은 인기에 힘입어 그의 연기 모습을 담은 그림엽서가 발행되기도 했다.

마츠우라 다비토는 1920년 여름 도쿄로 옮겨와 <도쿄오페라좌>에 가입하면서 그 좌장이던 이시이 바쿠와 인연을 맺었다. <도쿄오페라좌>는 1920년 여름부터 홋카이도, 도호쿠, 호쿠리쿠 순회공연을 단행했고, 1921년 봄에는 간사이와 산요, 큐슈 지역에서 공연했는데, 마츠우라 다비토는 여기에 열성적으로 참여했고, 이시이 바쿠가 그의 역량을 눈여겨보는 계기가 되었다.

그러나 흥행보다 예술성을 선택한 이시이 바쿠는 1921년 5월 <도쿄오페라좌>를 해산했고, 1922년 12월부터 1924년 4월까지 유럽과 미주 순회공연을 단행했다. 마츠우라 다비토는 <도쿄오페라좌> 해산 이후 간사이로 돌아가 여러 활동관에서 연기하다가 1921년 11월경부터는 도쿄의 와세다극장(早稲田劇場)에서 여흥을 연기하고 있었다.

구미 순회공연에서 돌아온 이시이 바쿠가 마츠우라 다비토를 어떻게 다시 만났는지를 보여주는 기록은 발견되지 않았지만, 마츠우라 다비토는 1926년 2월 시작된 이시이무용단의 만주와 조선 순회공연에 참여했다. 그는 경성공연 첫날 이시이 바쿠와 함께 “무용시 <명암(明闇)>”을 듀엣으로 발표했고, 셋째 날은 아동무용 <오늘밤은(今晩は)>을 독무로 공연했다.

그러나 마츠우라 다비토는 박명했다. 1928년 2월에 발행된 <이시이바쿠 팜플렛 제2집>에는 그가 “오사카 송죽좌에서 공연하던 중 폐부수막염으로 쓰러져 사망했다”는 부고가 실렸다. 그는 30세도 안 된 나이에 무용가로서의 꿈을 마음껏 피워보기 전에 병사한 것이다.

대구 공연의 이시이무용단의 무용수는 모두 4명이었고 내부 매니저 이시이 야에코와 피아니스트 호시나 테루오(保科輝雄)를 합치면 모두 6명이었다. 그런데 <무용가 이시이 바쿠의 생애(2006)>의 기록에 따르면 당시 조선 순회공연에 참가한 무용단원은 모두 16명이라고 했다.

“1926년 봄부터 지방 공연에 주력했습니다. 이시이 바쿠 무용단 일행은 16명으로 우선 중국에 건너가 만주일일신문의 후원으로 대련(大連) 공회당에서 첫 공연을 한 후 뤼순(旅順), 봉천(奉天), 장춘(長春), 지린(吉林) 등을 2개월 동안 순회 공연했습니다. 당시 만주에는 일본인이 다수 이주해 있어서 어느 공연이나 대만원의 성황이었습니다. 그 후 조선으로 돌아갔습니다.”

당시 언론보도에 이름이 언급된 무용단원은 6명에 불과했고 신입단원 최승희를 합쳐도 7명이었다. 다른 9명의 단원들은 누구였을까? 우선 바이얼린 주자가 있었다. 최승희는 경성공회당 분장실을 방문했을 때 바이올린 반주소리를 들었다고 회상했기 때문이다.

그에 더해 음향과 조명 스탭이 있었다. 극장에 따라 달라지는 음향을 조정할 전문가는 1명으로 충분했겠지만, 조명에는 적어도 4명이 필요했을 것이다. 당시 이시이무용단의 공연에는 좌우와 중앙의 조명이 있었고 거기에 스포트라이트가 하나 더 있었다. 따라서 적어도 4명의 조명기사가 있어야 했고, 그중의 한명이 조명 책임자였을 것이다.

그밖에 무용단 내부를 관장하던 이시이 야에코와는 별도로 순회공연의 대외업무를 관장하던 매니저가 있었다. 그는 최승희의 입단을 위해 최승희 부친을 설득하고 도항증을 신속하게 발급받기 위해 마츠오카 경성일보 사장을 방문하기도 했었다.

이상의 계산을 통해 16명 중에서 13명의 단원들의 역할은 파악될 수 있었다. 그러나 나머지 3명은 어떤 역할을 담당했던 사람이었는지 아직 확인되지는 않은 상태이다. (*)

石井舞踊団の大邱公演レパートリーに劣らず気になったのが公演団の構成だった。 1926年3月、京城（キョンソン）と仁川（インチョン）、大邱（テグ）と釜山（プサン）で公演した石井舞踊団は何人にのぼり、各自の役割は何だったのだろうか。 石井漠とパートナーの石井小浪は新聞でよく報じられたが、残りの団員は名前と役割は詳しく明らかにされなかった。

しかし、石井舞踊団の動線を報道した新聞記事を総合すると、朝鮮巡回公演に参加した団員を想像することができる。 1926年3月25日の「京城日報」は石井舞踊団員4名を明示した。

「本社後援で京城で開かれた3日間の新作舞踊大会で十分に天才を発揮した石井漠·八重子夫人·妹の小浪·ピアニストの保科輝雄さんら一行は23日朝、京城に別れを惜しみながら仁川に向かった。」

石井漠の妻·石井八重子の結婚前の名前は大場八重子で、父が仙台郵便局長を務めた裕福な中流階級の家庭に生まれ、学校を終えた後、記者、挿絵画家、広告モデルなど活発な社会活動をしていた。 初婚に失敗して石井漠と再婚した後、主に舞踊団の世話を担当した。

当時、舞踊団を構成するためには、舞踊団内部のマネージャーと外部の公演マネージャーがそれぞれ必要だったようだ。 石井八重子は、石井漠が浅草オペラ団を設立した時からその内部マネージャーを務め、1924年以降石井舞踊団を設立した時も同様だった。

一方、石井小浪氏は石井八重子の妹で、石井漠の義妹だった。 1905年生まれの石井小浪の本名は大場千代子だったが、石井漠の弟子になったことで芸名を石井小浪に変えた。

1919年と1920年の『日本歌劇俳優名鑑』によると、小浪は西光高等小学校（=今日の中学校）を卒業した後、兄の石井漠の指導で14歳で日本館でデビューし、石井漠が経営した浅草オペラ座の可愛らしい団員だった。

1922年1月、石井漠の欧州巡回旅行に同行した時、小浪は17歳だった。 当時の状況を『舞踊家石井聰の生涯』はこう述べている。

「（石井漠は）八重子の妹の小浪さんを連れていくと言った。 「ペアの相手が必要だが、コナミなら十分素質があり、出演料を払わなくてもいい」八重子は突然の話に戸惑って反対したが、漠はダンスに関しては頑固者だった。 一度切り出したら聞かない人だったので、八重子も従わざるを得なかった」。

石井漠は出演料を節約するため、家族のコナミを舞踊パートナーにしたというが、小浪はすでに力量のある新舞踊家だった。 京城公演当時、崔承喜よりわずか6歳年上だったが、すでに国際的な水準の舞踊家だったのだ。

当時の石井舞踊団には石井漠の家族がもう一人いた。 石井栄子だった。 1911年生まれの栄子は、漠の末妹で、2人の年齢差が25歳だった。 学校を卒業した後、栄子は教師や看護婦学校に進学しようとしたが、石井漠が舞踊を教えて弟子とした。

1926年の京城公演で石井栄子は独舞「わんぱく小僧」を演じた。 当時、石井舞踊団は満州の旅順や奉天、仙陽や吉林などで公演を終えた後、朝鮮に戻ったので、石井栄子は16歳ですでに国際公演の経験を積んでいたのだ。

6歳年上の姉·小浪と同い年の栄子は、崔承喜に驚異感とともに自信と安堵感を与える存在だったはずだ。 彼らは自分より幼い頃からすでに舞踊家としてその名を馳せていたに違いない. しかし、彼らに会って一緒に過ごし、崔承喜は結局、自分も小浪と栄子のように卓越した舞踊家になれるという自信を得たに違いない。 (*)

이시이무용단의 대구 공연 레퍼토리 못지않게 궁금했던 것은 공연단 구성이었다. 1926년 3월에 경성과 인천, 대구와 부산에서 공연했던 이시이무용단은 모두 몇 명이나 되었고, 그 각각의 역할이 무엇이었을까? 단장인 이시이 바쿠와 그의 파트너 이시이 코나미는 신문에 자주 보도되었지만, 그 밖의 단원들은 이름과 역할은 밝혀진 바가 없었다.

그러나 이시이무용단의 동선을 보도한 신문기사들을 종합하면 조선순회공연에 참가했던 단원들을 짐작해 볼 수 있다. 1926년 3월25일의 <경성일보>는 이시이무용단원 4명을 명시했다.

“본사후원으로 경성에서 열린 3일간의 신작무용시회에서 충분히 천재를 발휘한 이시이 바쿠(石井漠), 야에코(八重子)부인, 그 여동생 코나미(小浪), 피아니스트 호시나 테루오(保科輝雄)씨 등 일행은 23일 아침 경성에 이별을 아쉬워하면서 인천으로 향했다.”

이시이 바쿠의 부인 이시이 야에코의 결혼전 이름은 오바 야에코(大場八重子)였고 아버지가 센다이 우체국장을 지낸 부유한 중류층 가정에서 태어나 학교를 마친 후 기자, 삽화가, 광고모델 등으로 활발한 사회활동을 하고 있었다. 초혼에 실패하고 이시이 바쿠와 재혼한 후 주로 무용단의 안살림을 도맡아 담당했다.

당시 무용단을 꾸리기 위해서는 무용단 내부의 매니저와 외부의 공연 매니저가 각각 필요했던 것 같다. 이시이 야에코는 이시이 바쿠가 아사쿠사 오페라단을 꾸릴 때부터 그 내부 매니저를 맡았고, 1924년 이후 이시이무용단을 설립했을 때에도 마찬가지였다.

한편 이시이 코나미(石井小浪)는 이시이 야에코의 여동생으로 이시이 바쿠의 처제였다. 1905년생 이시이 코나미의 본명은 오바 치요코(大場千代子)였으나 이시이 바쿠의 제자가 되면서 예명을 이시이 코나미(石井小浪)로 바꿨다.

1919년과 1920년의 <일본가극배우명감>에 따르면 코나미는 서광고등소학교(=오늘날의 중학교)를 졸업한 후 형부인 이시이 바쿠의 지도로 14세에 니혼칸(日本館)에서 데뷔했고, 이시이 바쿠가 운영하던 아사쿠사 오페라좌(オペラ座)의 귀염둥이 단원이었다.

1922년 1월 이시이 바쿠의 유럽 순회여행에 동행했을 때 코나미의 나이는 17세였다. 당시 상황을 <무용가 이시이바쿠의 생애>는 이렇게 서술했다.

“(이시이 바쿠는) 야에코의 여동생 코나미를 데리고 간다고 했다. ‘짝을 이룰 상대가 필요한데, 코나미라면 충분히 소질이 있고, 출연료를 지불하지 않아도 된다.’ 야에코는 갑작스런 이야기에 당황해 반대했지만, 바쿠는 춤에 관해서는 고집불통인 사람이었다. 한번 말을 꺼내면 듣지 않는 사람이어서 야에코도 따르지 않을 수 없었다.”

이시이 바쿠는 출연료를 아끼기 위해 가족인 코나미를 무용 파트너로 삼았다고 했지만, 코나미는 이미 역량 있는 신무용가였다. 경성 공연 당시 최승희보다 불과 6살 연상이었지만, 이미 국제적 수준의 무용가였던 것이다.

당시의 이시이무용단에는 이시이 바쿠의 가족이 한 명 더 있었다. 이시이 에이코(石井榮子)였다. 1911년생인 에이코는 바쿠의 막내 동생으로 터울이 25년이었다. 학교를 졸업한 후 에이코는 교사나 간호사 학교에 진학하려 했으나 이시이 바쿠가 무용을 가르쳐 내제자로 삼았다.

1926년의 경성 공연에서 이시이 에이코는 독무 <개구쟁이(わんぱく小僧)>를 공연했다. 당시 이시이무용단은 만주의 뤼순과 봉천, 센양과 지린 등에서 공연을 끝낸 후 조선으로 들어온 것이므로 이시이 에이코는 16세의 나이에 이미 국제 공연 경험을 쌓고 있었던 것이다.

6살 연상의 언니 코나미와 동갑내기 에이코는 최승희에게 경이감과 함께 자신감과 안도감을 주는 존재였을 것이다. 자신보다 어린 나이에 이들이 벌써 무용가로 이름을 내고 있었던 것은 분명 놀라운 일임에 틀림없다. 그러나 이들을 만나 함께 지내면서 최승희는 결국 자신도 코나미와 에이코처럼 탁월한 무용가가 될 수 있으리라는 자신감을 얻었을 것임에 틀림없다. (*)

京城公演の最終日、石井舞踊団の公演を観覧した崔承喜は文化的衝撃を受け、舞踊に対する新たな認識を持つようになった。『私の自叙伝(1936)』で崔承喜はこのように回想している。

「...熱心に舞台を眺めているうちに私のすべてが強力な魅力に引かれて舞台に吸い込まれるように感じました.... これまで一度も見ることも、聞くこともできなかった、新しく輝く詩の世界を初めて発見した喜びを感じました」。

このような文化的衝撃と共に、チェ·スンヒはダンスに対する新たな理解を持つようになった。 これまで「遊興ネタ」としてしか認識していなかった踊りが「美的感興」を与える芸術であることに気づいたのだ。 『三千里』1936年1月号において、崔承喜は次のように回顧している。

「私はあの時、あれはダンスではなく何を表現するのだろうと思った。 わたしは今まで踊りはうれしく楽しいときだけ踊るものだとばかり思っていた. しかし彼（=石井漠）は今重くて苦しいことを表現していた」。

崔承喜は石井漠の舞踊が「美」と「力」を表現していると感じた。『朝光』1940年9月号で、崔承喜はその日、自分が見た石井漠の舞踊についてこう回想している。

「後で分かったことだが、「山を登る」というダンスで、そして「食欲を消す」「囚われた人」など、いくつか見て何だか分からないほど胸に刺され、また考えさせ、美しく、思わず正気を失った」。

実際、「美しさと力」は石井漠舞踊のテーマだった。 崔承喜は『私の自叙伝(1936)』でこの美しさと力に惑わされた経験を次のようにより詳しく記している。

「水の流れるように美しく描かれる肉体の線の動きと、楽しい夢のようなメロディーの響きに、私は酔っぱらいのようにうっとりとした世界に吸い込まれました。 しかし、そうして一目で迷われたよりも強いものがありました。 例えば石井先生の有名な作品「囚われた人」や「メランコリー」、「ソルベージュの歌」のような舞踊に流れる力強い精神が、小さな私の胸にうごめいていた魂を呼び起こし、限りなく共感してくれたのです」。

崔承喜が「美」と「力」の「表現」を感じたという代表的な作品が『閉じ込められた人』だった。 この作品は大邱公演でも上演されたはずである。 石井漠の初期の代表作だったからだ。

『石井漠パンフレット第1集』の説明によると、『囚われた人』は1922年、ヨーロッパ巡回公演中にベルリンで振付され初演されるや否や好評を博し、その後ヨーロッパとアメリカの公演に欠かせない人気作であった。 この作品で石井漠は『美と力の道』というドイツの文化映画にも出演している。

『囚われた人』の音楽はラフマニノフのピアノ曲『プレリュード(作品番号3番)』第2番曲であったが、後に日本でもこの作品が広く知られると、日本の大衆の間にこのピアノ曲の題名が『囚われた人』として知られるようになった。 この誤解を正すために石井漠は『石井漠パンフレット第1集』で「原曲はラフマニノフの『プレリュード』であって『囚われた人』ではない」と説明しなければならなかった。

また石井漠は「『囚われた人』の楽想は明らかにナポレオンのフランス軍がモスクワで敗北したことから得られた」が「この舞踊作品の主人公がナポレオンであるわけではない」と明らかにした。 それよりも「収奪され自由を失った人間がいかに大きな苦痛を受けることになるか、そして自由を取り戻すことがいかに大切なことか」を表現した作品だと石井漠は付け加えた。

崔承喜は大邱公演で『囚われた人』を二回目に観覧した。 京城では素人舞踊観客の立場だったが、大邱では舞踊団員の弟子の立場で師匠の代表作を見るようになったのだ。

自分の人生の方向性を決めた作品に、3日ぶりに再び向き合った崔承喜の心情はどうだったのだろうか。感激は少しおさまったとしても驚異は増えたはずだ。もう自分がああいう作品を作って公演しなければならないと思ったはずだ。崔承喜の舞踊授業は、大邱ですでに始まっていたことだ。 (*)

大邱地域の新聞の閲覧が不可能だったため、石井舞踊団の大邱公演に対する残りの関心事は、すでに明らかになっている事実をもとに推測と解釈で解かなければならなかった。 私が気になったのは公演のレパートリーだった。 1926年3月26日の大邱公演ではどんな作品が発表されたのだろうか。

大邱公演のレパートリーはこれまで明らかになったことがない。 現地新聞では報道されたかもしれないが、大邱近代歴史館や大邱市立中央図書館では確認できなかった。 公演者だった石井聰聰、観察者崔承喜（チェ·スンヒ）の回顧録にも大邱公演発表作品が言及されていなかった。

しかし、大邱公演のレパートリーも京城公演と仁川公演のレパートリーとそれほど違わなかったと推定された。 当時舞踊団は東京や京城で年に1~2回「新作創作発表会」を開き、続いて他の都市を巡回しながら作品を再公演するのが慣行であったからである。 1932年6月7日付の『毎日新報』にも、次のような記事が載っている。

「2年ぶりに来選し、京城公会堂で空前の歓喜を受けた舞踊隊が、石井漠一行は9日午後7時から仁川公会堂で新作舞踊公演会を京城日報の後援で開催することになったが、"プロ"は京城で発表したのと同じだという」

つまり、1932年6月9日の仁川公演発表曲は、6月4-5日に開かれた京城公演レパートリーと「同一」であるということである。 しかし、両公演が完全に同じだったと断定するには早い。 1926年3月18日の『朝鮮新報』は石井舞踊団の京城公演レパートリーを次のように報じた。

「1. 舞踊詩 『メランコリー』, 2. 舞踊詩 『夢見る人』, 3. 舞踊劇 『囚われた人』, 4. 児童舞踊 『わんぱく小僧』, 5. 舞踊詩 『山を登る』, 6. 舞踊詩 『明闇』, 7. 舞踊詩 『ソルベイジの歌』, 8. 表現的舞踊詩 『マスク』, 9. 舞踊詩 『つらい影』, 10. 舞踊詩劇 『若い版とニンフ』, 11. アンコール曲 『日本舞踊』」

この作品リストは京城公演が始まる前にマスコミ各社に届けられたものなので、おそらく3月21日の京城初公演のレパートリーだったに違いない。 一方、3月24日の『京城日報』は京城最後の公演(3月23日)の作品を次のように報道しているが、これらの作品は崔承喜が観覧したものである。

「舞踊詩 『たそがれ』、表現派舞踊 『奇妙』、児童舞踊 『今夜は』（山田耕作さん作曲·松浦ダービーと出演）、舞踊詩 『あきらめ』と『ヘブライのメロディ』、無音楽舞踊 『習作』とその他の7~8編だが、石井漠の苦心の末に振付した作品で、因果の深い劇的な雰囲気が濃い作品だ」。

このリストにタイトルが並んだ6作品と名前が明示されていない「その他の7-8編」を合わせると京城最後の公演では13-14作品が公演されたことになる。 ところが、『私の自叙伝(1936)』と『朝光(1940年9月号)』の寄稿文で、崔承喜は『囚われた人』と『山を登る』、『メランコリー』、『食欲を引く』を観覧したと回想した。 したがって、題名が明らかにされていない作品は3~4個であるが、これらも京城初公演の作品であったと思われる。

したがって、当時石井舞踊団は、各公演ですべて同じ作品を発表したのではなく、前の公演のレパートリーのうち半分程度を入れ替えて発表作品に変化を与えていたことが分かる。 これは相次いで観覧する舞踊ファンへの配慮だろう。

要するに京城3日目公演のレパートリーの中で6作品が初日と違い、2日目公演のレパートリーもそれほどの割合で違っていたら、全体レパートリーは約21個に達したはずだ。 この作品プールから石井漠は必要に応じて各公演の発表作品を選別したのだ。

このため、大邱公演のレパートリーを正確に推測することは容易ではなかった。 約21作品のうち、どの作品が大邱公演のために選定されたのかを判断するのは、ほとんど不可能だからだ。 これも追加的な資料発掘が切実な分野だ。 (*)

1934年に発刊された大邱を紹介する冊子『大邱案内(1934年)』によると、当時大邱では22の新聞と雑誌が発行されていたが、1939年には25に増えた。 人口10万人（1935年）の大邱でこれほど多くのマスコミが活動したのは驚くべきことだ。

これは大邱の人口のうち、日本人の割合が30%以上だったという事実と関連があるようだ。日本人にはマスコミを設立する財力があり、新聞と雑誌を読む余裕があったし、その必要性もよく分かっていたからだろう。 これは大邱に劇場が多かった理由とも通じる。 劇場を建てる財力のある日本人が多かったし、演劇と映画を楽しめる余裕のある人口が多かったからだ。

その新聞には京城と日本の主要紙も含まれていた. 日本の新聞の中では、『大阪朝日新聞』と『大阪毎日新聞』が支局を通じて取材活動と新聞普及活動を行った。 また、京城の『朝鮮新聞』と『京城日報』などの日本語の新聞だけでなく、『朝鮮日報』と『東亜日報』、『時事新聞』と『時代日報』と『中外日報』などの朝鮮語発行の民族紙も支局を設置した。

もちろん、大邱に本社を置く新聞もあった。 大邱で最初に登場した近代新聞は、大邱日本人会が1901年6月に創刊した週刊誌『達成週報』だった。大邱府の日本人読者のために日本語で発行された『達成週報』は第4号まで発刊されてまもなく廃刊となった。

その後、1906年1月に大邱日本居留民団の有志30人が民営新聞『大邱日報』を創刊したが、第2号の新聞に「半身不随の韓日協約」という社説を載せ、当局によって直ちに廃刊に追い込まれた。

1906年3月、日本人と地元の朝鮮人有志たちが力を合わせ、隔日新聞『大邱実業新報』を創刊したが、経営難により翌年(1907年)1月、日本人に経営権が渡り、この時、発刊周期を日刊に変え、新聞名も『大邱新報』を経て『大邱日日新聞』に変わった。 『大邱新報』は朝鮮語版と日本語版が共に発行されたが、日本人読者の抗議で3ヶ月で二重言語発行をあきらめ、『大邱日日新聞』に改題した後は日本語版のみ発行した。

『大邱日日新聞』は総督府の施策の宣伝に重点を置いただけでなく、朝鮮人を蔑視する報道に明け暮れ、民族感情を激発させた。 これに対抗し、日本居留民団が1908年9月、『大邱時報』を創刊したが、当時の慶尚観察使·朴重陽（パク·ジュンヤン）の仲裁により、『大邱日日新聞』と『大邱時報』が合併し、同年(1908年)10月、題号を『大邱新聞』に改称した。

一方、1924年10月に経済新聞の『大邱商報』が創刊され、1926年10月に『南鮮経済日報』に改称され、1928年10月には『大邱日報』が創刊された。 その後、『大邱日日新聞』と『朝鮮民報』と『大邱日報』が大邱に本社を置く地域新聞として発行され、1941年、戦争を拡大してきた日本が物資不足を理由に強要した一道一紙の言論政策により、『朝鮮民報』と『大邱日日新聞』は『大邱日日新聞』に統合され、解放を迎えるに至った。

したがって、石井舞踊団が初めて大邱公演を行った1926年3月現在、大邱地域では『大邱日日新聞』と『朝鮮民報』、『大邱商報』が発行されていた。 の少なくとも3つの新聞が発行されていた。 この3つの新聞は本格的な地域新聞だったので、石井舞踊団の大邱公演をより詳しく取材して詳細に報道したものと見られ、筆者が計画した大邱取材でも、この3つの新聞を閲覧することが最も重要だった。